2014年3月12日水曜日

ホウ酸系の安全な防蟻剤

木造住宅の土台にはヒノキの心材を使うのが私の事務所としての一般仕様で、価格的には安くても防腐剤注入材は使いません。本当はヒバ材を使いたいのですが、ヒバは関東県では入手困難で、基本的にはできるだけ気候条件の合った近県材を使うという方針です。

さらに、地盤面から1mの高さまでの木部には防蟻処理をしなければならないので、一般的には相変わらず農薬由来の劇薬を塗って(吹き付けて)シロアリに対処しようという感じなのですが、私の事務所ではボロン・デ・ガード・プロとか、エコボロンといったホウ酸系の薬剤を使用しています。

これらはアメリカ産の防蟻剤で、日本に生息するシロアリよりも強力なアメリカカンザイシロアリを駆除する為に開発されたものですが、透明な水飴の様な状態の液剤を水に溶かして、それを木部にハケで塗ります。

この薬剤はその毒性によってシロアリを殺すのではなく、シロアリが体内に取り込んだ時に、その消化を妨げる事によってシロアリをやっつける、というもので、殆ど匂いもなく、なめても問題ありません。ホウ酸は目薬にも入っている位ですから、農薬系の薬剤に比べたら私達の健康に対しては極めて安全性の高い薬剤と言えます。

ただ、防蟻業者にははなはだ嫌われています。木材表面に塗るもので、農薬系に比べて木材の中への浸透性が低いので、水に濡れると落ちてしまう、と言って何とか避けようとしますが、結局、これらのホウ酸系の防蟻剤は大工さんでも、素人さんでも誰でも手軽に塗れるので、誰にでも扱えなかった防蟻処理という特権を失ってしまうという危機感があるのかもしれませんね。

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