2010年6月25日金曜日

凄い透湿面材!「ケナボードS」


 最近の木造住宅では外壁面に構造用合板を貼って壁倍率を確保するのが一般的になってきましたが、構造用合板は透湿抵抗が大きいので、充填断熱を考えると室内側に気密シートを貼らなければ内部結露の危険性が高いと言えます。

 しかし、一般的にはこうした内部結露の問題には無頓着な設計者が多く、高気密・高断熱を意図しなければ気密シート張りをする設計者は殆どいません。

 例え、気密シート張りをしても首都圏の温暖地では気密シートの意味を良く理解している施工者が少なく、いい加減な施工がなされて、内部結露を引き起こしているケースが多いと言えるでしょう。

 そこで今日ご紹介するのが、パナソニックの「ケナボードS」という面材です。これは多年草のケナフから作られた透湿面材で、透湿抵抗が構造用合板の1/10しかありません。しかも、僅か4.5mmの厚さで構造用合板以上の壁倍率が確保できるという優れものです。
 これを使えば、首都圏地域なら、気密シート張りなどしなくても内部結露の心配の少ない充填断熱ができます。

 同様に杉皮や杉の未利用材から作られたエコ建材として以前からダイケンが出している「アセダスD」があります。これは、壁倍率が1しかありませんが、ケナボードよりずっと価格が安いので、私はこの2つの面材を巧く使い分けています。

 長持ちする家を作りたければ、こうした透湿性のある材料を巧く組み合わせて内部結露の心配の少ない家づくりを心掛けたいものです。
 日本の木造技術は、できるだけ湿気を溜めない技術だったのです。それは今でも変わりません。

(写真、下の青いボードがアセダスD、上がケナボードS)

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