今では木造の外壁には必ず「通気層」を設け、その下地として必ず「透湿防水シート」が用いられる様になりましたが、そうせざるを得なくなったのは、外壁に透湿性の乏しいサイディング等の石油化学建材が用いられる様になり、室内で発生した水蒸気の逃げ場が亡くなり、その結果、木造住宅の耐久性を著しく損なうことになったからです。日本の木造住宅の寿命が25年しか保たなくなってしまった主な原因がここにあります。
今では建材メーカー各社からこの「透湿防水シート」が出ていますが、色はどれも白で、そこに工務店やハウスメーカーのロゴを印刷する様なサービスをしているメーカーもあります。外壁を仕上げるまでの工事期間中、多少とも宣伝効果があるのかもしれませんね?
さて、今回紹介させて頂くのは、ドイツで作られているソリテックスWAという透湿防水シートです。これは、国産のシートが白い紙の様な素材であるのに対して、黒くしっかりとした厚みのある素材で、耐久性があり、紫外線にも強いということで、1週間ほど日向でこのシートに水を溜めておいてみましたが、水漏れはまたくなく、紫外線に対しても問題はなさそうでした。
今回はこのソリテックスWAを張った上に通気胴縁を打ち、その上に以前紹介させて頂いたエステックウッドの板材を16mmの隙間を空けて、スノコ状に張ってみました。隙間から中を覗き込むと、黒いソリテックスWAが見えていますが、全く気にならず、今までにない外壁の表情を作ることができました。これは言って見れば、外壁材がソリテックスWAで、その上に化粧として板が張られている、という状況です。
ソリテックスWAの耐久性に信頼がおけなければ不可能な意匠であり、これは同時にかつてない透湿性の高い外壁を実現したとも言えます。ソリテックスWAを使ってまだ様々な外壁の可能性を模索できるのではないでしょうか?
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